不動産問題

不動産問題について

私が初めて弁護士となって就職した事務所は、大手の不動産業者、不動産仲介業者の顧問事務所でした。
また、その後不動産運用コンサルティング会社の取締役も経験しました。
そこで感じたことは、「不動産業者は実に不動産に関する法律を分かっていない」ということ。

不動産業者の説明をうのみにすると、トンでもない結果になったり、そこまではいかなくても払う必要のないお金を払わされたりすることがあります。
特に不動産は金額が大きいので、損も大きくなります。


たとえば立ち退きを請求されたときの立ち退き料

借地借家法に基づき、借地人・借家人にはほとんどすべての場合立ち退かない権利があります(貸主に自己使用の必要性その他「正当事由」があるときは別です。)。居座ることは簡単です。
ただし、いつまでも不安定なのは落ち着きませんので、ある程度のところで折り合いをつけるのが普通です。
その相場は、
土地の時価×借地権割合×借家権割合 + 引っ越しにかかる費用 +α
といったところです。

不動産屋によってはまことしやかに借地権の買い取り価格を「時価の半々で」などと言ってくることもありますので頷いてしまわないように。

たとえば更新のときに納得のいかない条件を付け加えられたとき

条件が折り合わなければ、更新しなければいいのです。
更新しなければ、借地借家法で自動的に期間の定めのない契約として同一の条件で法定更新されます。
この場合、更新料の支払い義務はないと考えています(判例はみつかりません。)。
なぜならば、更新料は更新の合意をすることの対価であり、法定更新になったということは更新の合意が成立しなかったからにほかならないからです。

たとえば借家を返還するときの原状回復の範囲

敷金は全額返還されるものと言って事件を漁る司法書士が見られますが、そうとは限りません。
契約に特段の定めがないときは、故意過失による損傷以外直す義務はないのはたしかですが、特約で通常損耗補修特約を結ぶことも認められています。
 この特約が有効となるには最高裁平成17年12月16日判決に最低条件が定められています。

たとえば欠陥建築

提携している建築士とともに、欠陥の補修、損害賠償を請求します。

たとえば境界画定

隣地を10年占有していればなんでも時効取得、と勘違いしている人が、弁護士の中ですら少なくありません。

しかし、取得時効が成立するためには所有権取得の原因となると認められる法律行為に基づく占有(自主占有)が必要で、不法占有を何十年続けていても所有権は取得しません。
また、所有権の取得と、●番地●の土地と▲番地▲の土地との境界は必ずしも一致しません。境界は公的な問題で、所有権は私的な問題だからです。
さらに、公図をみれば境界が書いてあると思うかもしれませんが、「公図はただの絵で極めて不正確なもの」というのが不動産業界の常識です。

現代の測量技術では、同じ土地を測量しても1センチ程度の誤差は生じてしまうというのも境界問題を解決困難なものにしています。
新たに境界確認書を交わしても、それと矛盾する古い境界確認書が出てくれば、境界は分らない、ということになります。境界は私的に動かせるものではないからです。

結局、昔の関係者の記憶とか、境界標とか、何枚もの図面とかから推定して、最終的に裁判官が決めるしかないのです。
(登記官による筆界確認制度というものもありますが、それについては省略します。)

たとえば遺産相続

相続においては、事業をだれに承継させたいかということや、相続税の納税資金を用意できるかなどを事前に検討する必要があります。 税理士は多数いますが、資産税に強い税理士は実はあまりいません。 当事務所は提携している税理士・社会保険労務士とともに、法律問題だけでなく事業における問題の総合的な解決を提案します。
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