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ブログ 2008年11月アーカイブ

殺意の認定

「東京都大田区で1月、交際相手だった無職、藤家英樹さん=当時(53)=をナイフで刺し死なせたとして、傷害致死の罪に問われた元Vシネマ女優、木村衣里被告(32)の初公判が11日午前10時から、東京地裁(秋葉康弘裁判長)で開かれる。取り調べに対し、藤家さんから日常的に暴力を振るわれていたと供述した衣里被告。女優以外にもキャンペーンガールやレースクイーンなど芸能界での華やかな経歴を持つ被告を凶行へと駆り立てた理由が、公判でどこまで明らかにされるかが注目される。

 衣里被告は当初、殺人容疑で逮捕された。衣里被告の全身にはあざがあり、「(藤家さんが)酒を飲むと日常的に暴力を受けていた」などと供述。だが、犯行については「殺意などなかった」「記憶がない」などと繰り返したため、東京地検が鑑定留置して精神鑑定を行った。藤家さんの恒常的な暴力による心神喪失や心神耗弱の可能性も含めて調べていたが、東京地検は刑事責任が問えると判断した。
 

 だが、殺意については(1)傷は肺まで達していたが、1回しか刺していない(2)刺した後に傷口を瞬間接着剤でふさごうとした(3)一貫して殺意を否定している-などから、「認定は困難」と判断。傷害致死罪での起訴に踏み切った。」
 

「殺意が問題となるような事態はそれ自体異常かつ例外的であって、行為者においても相当高度の興奮状態にあるのが一般である。・・・したがって、この点に関する行為者の供述のうちには、意識して自己の記憶に反する虚偽の事実を述べているのではなくとも、行為当時の情況を追想ないし聞知した結果から判断した意見にすぎないものも往々にして含まれていると考えられる。そしてこのことからすれば、殺意の認定に当たっては、むしろ情況証拠を重視すべきであるとも言い得るのである」(大野市太郎「殺意」)
 

殺意があったかどうかで、罪名は殺人(死刑、無期懲役、又は5年以上の懲役)か傷害致死(3年以上20年以下の懲役)かに分かれます。
これは、「殺そうと思って刺しました」とか取り調べでカツ丼食べながらふるさとで泣いているおふくろさんに思いを馳せつつ供述した結果で決まるというわけではなく(そもそも取り調べの際の利益誘導は禁止されていて、どう供述するのが有利かもアドバイスしてはいけないことになっています。)、凶器の大きさ(カッターか、はさみか、包丁か)とか、傷の深さなどの客観的な情況証拠で認定される、というわけです。
で、今回のこの事件、ナイフの長さがわかりませんが、肺まで達しているということは、殺意が認定されてもおかしくない事案でしょう。
しかし、東京地検が殺意を否定した理由として注目したいのが、ココ。
 

      「刺した後に傷口を瞬間接着剤でふさごうとした」


ほんとかよ。


ちなみに、供述は、一貫性がなければ信用してもらえません。
取り調べの際に作成される供述調書は捜査官の作文ですから、当然一貫しています。
これを公判で否認して、裁判のときに裁判官にわかってもらおう、などと思ってはいけません。
被告人にとっては人生を左右する事件でも、裁判官にとっては山積みされた仕事の一つにすぎません。
そんなに人のこころの不可知な部分に思いをはせる余裕など裁判官にあろうはずもなく、控訴審でひっくり返りにくい裁判をこころがけるだけです。
「公判供述は、供述を変遷させた合理的理由がないので信用できない」で終わりです。
ちゃんと、逮捕された当初から否認すべきものは否認して、取調官の誘導に惑わされないことが大事です。


今日はまじめでしょ。


0.4リットルの涙

いまセブンイレブンで700円以上買い物すると、もれなくエッソ・モービル・ゼネラルなどのガソリンスタンドで20リットル以上給油したとき100円引きになるサービス券がもらえます。

で、今日は車で川越支部、八王子支部と回って結構ガソリンを使ったので、さて、とガソリンスタンドで、
       レギュラー20リットルお願いします
と言ったら、
       18リットルで満タンになってしまいました・・・・
と店員。
       車をゆすって、がんばって20リットル入れてください
と言って店員にがんばってもらったんですが、19.58リットルでもういっぱいいっぱいになってしまいました。
 あと0.4リットルというと、48.8円です。0.4リットル捨ててもらった方が51円得をする。
       0.42リットルその辺に捲いてください
と店員に言ったところ、
       いやー、それはちょっと。。。
当然か。

0.6リットル少ないだけで、こんなにもくだらなくなる、というお話でした。


エコ・カーの反エコ的側面

「環境にやさしい車」とか「エコ・カー」とかいうのは、「エンジンが汚い空気を出す量や、ガソリンを消費する量が、今までの車よりも少ない」車のことらしくて、「豊かな」国々ではとても人気があるようでした。
「僕は、環境のことを考えているからね」そう言って「豊かな」国々の「豊かな」人たちは、ピカピカの「エコ・カー」を乗り回すのでした。
 

「けれど、古い車は、どこに行くのよ?」うさぎはもうすっかり、腹を立てています。
古い車は、例えば、ここ銅山の国やお隣の「紫の歌の国」にやってくるのでした。「銅の山脈の国々で走っている車は、絵本の国の車庫証明書が張ってあるタクシーや、車体に絵本語で「○○クリーニング店」などと書いてある、「ハイ・エース」という小さな車ばかりです。
空気は国境などなくつながっています。銅山の国で空気を汚そうが、絵本の国で空気を汚そうが、この星の空気が汚れることは同じです。
 

環境にやさしい車を買うってのは、現実には、『今まで乗ってた車に加えて、この星の上にもう一台車を増やす』ってことなのに、そんな当たり前のことも『豊かな』国々の人たちは考えられなくなってる。

(小沢健二「企業的な社会、セラピー的な社会」社会臨床雑誌14巻3号)
 

小沢健二は、「人の考えをコントロールするのに最適に方法は、ある考えの枠組みを与えて、その中で活発に議論させることだ」と指摘しています。「代替エネルギーを考えましょう」という枠組みを与えられると、「風力発電がいい」「植物油で車を走らせるのがいい」と活発に議論させられるけれども、根本の、「車社会」そのものには目が行かなくなるというのです。「車以外の移動手段を考えよう」「車社会って本当に効率がいいのかな?ロバを飼う方が本当に進んだテクノロジーなのではないかな?」という考え方の「革命」を防ぐことができるのです。
 

2チャンネルでご指導いただいた(指導教官は何も指導してくれなかった。)、与えられた分析枠組みの中で、先行研究をふまえて研究すること、という修士論文研究方法の真髄が、ここにあるような気がしました。


ところで、ゴミ捨て場でパンクしている自転車を拾い、修理して運転していたら、ゴミでも拾っちゃだめだと警察官に止められ、(令状もなしに)没収する言われたという電話相談を弁護士会で受けました。ゴミを拾って直すことは、今の時代見上げた根性だと思うのですけど、環境にやさしくないよ、警察官!


女の陰に男あり

「娼婦たちには、ヒモと呼ばれる男たちがついていて、彼女たちの生活を裏から操作しているという噂だった」(寺久保友哉「翳の女」)


痴漢の弁護を2件した。
犯行は争っていないので、被害女性と示談して早期に身柄を解放することが仕事だ。


1件目は、女子大生
遊園地のプールで水着の上から胸を触ったもの。
5万円を提案したら、父親が出てきて、うちの娘は傷ついた、5万円じゃ話にならない、と50万円を吹っ掛けられた。
逮捕されているという弱みがあるから払ったけれど、これは絶対本人の意向じゃなくて父親の意向だぞ。
そういうことをするのは、娘さんに、自分の体が商品になることを教えるようなものだと思うのだけれど、どうだろう。


2件目は、よくわからない20代後半の女性。
昼に電話をかけてもつながるから、たぶん仕事はしていない。
道端で、被疑者が酔っ払っているときにおしりに手をやったというもの。
10万円くらいかな、とおもいつつ、いちいち値切り交渉をするのも面倒くさいから被疑者の奥さんから預かっているお金全部渡してしまえと思い、30万円を提示したら、
旦那さんがでてきて、
 

     妻が痴漢にあって、自分も精神的苦痛を受けたから、当然私ももらえるんですよね?


だと。
はァ?旦那が損害弁償貰えるわけねーじゃねーか。
結局、かなり足元を見られて100万円もふっかけられました。


どちらの案件も、被害者の意向というより、完全に背後の男が金額を決めていると思います。
そして、キックバックをもらっているのだ。
間違いない!
 

親としてサイテーだね。
振込先も最初親名義の口座指定して来たし(もちろん本人名義でないと払えないと断った。)。


僕たちがいた場所

「時は流れ傷は消えていく それがイライラともどかしく
忘れてた過ちが大人になり口を開けるとき 流れ星をさがすことにしよう
もう子供じゃないならね
薫る風をきって公園を通る 汗をかき春の土を踏む
僕たちがいた場所は遠い遠い光の彼方に そうしていつか全ては優しさの中に消えてゆくんだね
流れ星静かに消える場所 僕らは思いをこらす」(「流星ビバップ」小沢健二)
 

アメリカ民主党が8年ぶりに政権を奪還した。
 

さて、かみさんは怒るだろうが、ここではまた田中さんに登場してもらう。
ブログが炎上するのは、放っておくのがよいとホリエモンがテレビで言っていたからね。


田中さんとは予備校の自習室や、図書館などで待ち合わせて、一緒に勉強をする仲だった(勉強していたのは僕だけで、彼女は寝ていたか?)
田中さんは、世界の恵まれない子供たちのためにsave the children japanのボランティアをしていた。世界の子供たちのために、何かできないか、ということだった。
 

それに対して僕は、周りが勉強しているから勉強しているだけで、特に何がしたい、ということはなかった。
ただ、目立ちたがり屋なので、一芸に秀でたいとだけ思っていた。
世界をまたにかける国際派の弁護士も、憧れた。
かっこよさそうだから、という子供みたいな思いだけで。
まあ、いまでも上海の郊外とかバングラデシュとかパキスタンの危険地帯とか、そんな世界をまたにかけてはいるけれど。
 

自由主義市場の恩典の下に発達してきた外資系の証券会社に就職した企業内弁護士たちは、今の状況をどう考えているのだろう。あるいは、何も考えていないのか。
自由主義市場原理の最大の信奉者であるグリーンスパン前FRB議長も、「過ち」を議会で認めざるを得なかった。
「自由主義市場原理は正義に適うか」
適わない、と言う僕の答えは、この金融恐慌の前は、法的には、非常識な結論だった。
一橋大学の修士課程学位審査では、指導教官の村上正博教授は、論文を読んでもくれなかった。
しかし、今や麻生首相をして「自由に任せるとどうなるか、ということだ」と言わしめた。


これからの社会は、どうなっていくのか。
それに対して僕たちはどう新しい環境に適合していけばいいのか


僕たちがいた場所は遠い遠い光の彼方。


Oneway generation

「人ごみの真ん中 今居る場所さえ分からないように 自分の生き方が見えない時ってあるよね
話してはみたけど言葉が一方通行みたいで 遠く夢なんて大人は分かってくれない
僕等は One way generation, oneway generation
今ひとりで何かを探して
One way generation, oneway generation 今知らないどこかに向って
戻れない片道のチケットと夢だけを信じたい


もうまわりを気になどしないさ
青春の終点に着いたとき 何が待っているのか」(「Oneway generation」本田美奈子)



僕の友人には、変わった経歴の人が多い。
東大法学部を卒業後、表象文化を勉強していまオーストリアでフィルム復元の仕事をしている常石史子嬢とか、法学部を卒業後宗教哲学を勉強していまローマで神学みたいな、何か(著書をもらったけどよくわからない。)を研究している三辺マリ子嬢とか、東大工学部博士課程を卒業後証券会社に勤めてベンチャー支援をしている沖本優子嬢とか、型にはまらない生き方って、魅かれる。


それに対して、東大法学部を卒業して普通に司法修習を終えて普通に文化的雪かきをしている普通の弁護士をやっている僕は、なんて普通なんだろう。
夢が持てなくなって、ちょっと自分の生き方が見えなくなってる。
片道のチケットは、もうとっくに期限切れなんだけどね。


文化的雪かき

「仕方ないよ」と僕は言った。「それはわかっているんだ。だから雪かきのようなものだよ。仕方ないからやってるんだ。面白くてやっているわけじゃない」
「雪かき」と彼女は言った。
「文化的雪かき」と僕は言った。(村上春樹「ダンス・ダンス・ダンス」)
 

裁判所から選任された成年後見人をしていたおばあちゃんが、お亡くなりになった。
その相続人の兄弟が、仲も悪けりゃたちも悪いし、うんざりだ。
成年後見というのは被後見人の死亡で任務が終了し、その後は財産管理処分権はなくなり、裁判所の監督も終了する。
だから、兄弟で立て替えているお金があるからと言って、相続人全員の同意がなければ、払うわけにはいかない。
相続人全員で遺産分割協議をまとめてもらわなければ、一人だけに財産を渡すこともできない。


そして、任務終了報告と任務終了時財産目録の提出期限は、死亡の2ヶ月後と決まっている。
にもかかわらず、報告が遅いとか、遺産を全部よこせとか言って弁護士会に紛議調停を起こしてきやがった。

成年後見人なんて面白くてやっているわけじゃない。
なんの得にもならないけど誰かがやらなければならない仕事(「文化的雪かき」)なだけだ。


国選弁護も、似たところがある。
被告人のお姉さんから電話がかかってきたので、お母さんにあれこれということを伝えておいてください、と頼んだら、お母さんと同居しているくせに、「ご自分でなさってください」だとさ。
夜お母さんに電話をかけたら、お姉さんが出たよ。
キレるなと言う方が無理だ。


ふたたびダイビングについて僕が語ること

「チョコレートが好きじゃないの?」

「興味が持てないんだ」と僕は言った。「好きでも嫌いでもない。ただ単に興味が持てない」
「変な人」とユキは言った。「チョコレートに興味が持てないなんて、精神に異常があるわよ」
「全然変じゃないよ。そいういうことってある。君はダライ・ラマは好き?」
「何よ、それ」
「チベットの一番偉い坊主だよ」
「知らないわよ、そんなの」
「じゃあ君はパナマ運河は好きかい?」
「好きでも嫌いでもないわよ」
「あるいは、君は日付変更線が好きか嫌いか?円周率はどうだ?独占禁止法は好き?ジュラ紀は好きか嫌いか?セネガル国歌はどう?1987年の11月8日は好きか嫌いか?」
「うるさいわね、もう。本当に馬鹿みたい。よく次から次へと思いつくわね」とユキはうんざりするように言った。「わかったわよ、よく。あなたはチョコレートが好きでも嫌いでもなくてただ興味が持てないだけのことなのね。わかったわよ」(村上春樹「ダンス・ダンス・ダンス」)

 

魚に興味がない、と言うと、なんでスキューバダイビングやってるの?と不思議そうな顔をされる。
好きでも嫌いでもない、ただ興味が持てない、としか言いようがない。
ちょっと言葉を知っている人だと、「地形派?」と聞かれる。
トンネルや、入り組んだ地形は好きだ。
でもなんにも地形がないのも好きだ。


空を飛ぶ感覚。
ひっくり返って空をみあげると、ダイアモンドダストが舞い上がっていく。


秘境を探検する感覚。
フィンワークが悪いと、水底の泥土を巻き上げて前が見えなくなる。
フィンワークの練習をひとりで離れてこそこそやってたり、コンパスを見てガイドが動いている方向を自分で推測してみたり、自分で決めた水深からぶれないようにキープしたり、ガイドが魚を案内しているのを無視しているあいだ、そんなことを僕はしている。


ガガガSP

「少々僕は考えすぎてはいたんだろう 自分を取り巻くこの環境 この状況を
でも周りが考えるほどの中身はない
来ればいい 見ればいい そこには問題はない
 

もういいじゃないか 自分のために生きて行こうじゃないか
もういいじゃないか 同情なんて今さら必要ないのさ
あの日から8年たって分かったことは問題はないということさ」(「問題はない」ガガガSP)



うちの車はあちこち擦り傷、へこみだらけで、ほんとに最初四角かったのか疑問もわくようなまあるいミニなのですが、また、やってしまいました。
自宅の車庫でバンパーを壁に ガガガ と。


前はかみさんのおかあさんもおんぼろ車に乗っていたので、借りてはどこぞにガガガとやって、前のバンパーをどこかに落っことしてきたということもあったのですが、おかあさんも何を考えたのか、いきなりでっかいジャガーに買い替えてしまいました。
でも、まあいいやということで借りたら、車庫から出るその瞬間 ガガガ とやりました。


それから、僕はジャガー運転禁止になってます。


いいじゃん。動けば問題はないじゃないか。
バンパーはぶつけるためにあるんだ。
見に来ればいい。車は走る。


だいたいジャガーなんて運転しにくいよ。
左折しようとするとワイパーが動くし。


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